設備投資額で競合他社を圧倒

 台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)が,設備投資と技術開発の両面で他社を圧倒する戦略を打ち出した。2009年に31%の営業利益率を達成した同社は,2010年に競合他社を大幅に上回る48億米ドルの設備投資を実施する。これは,米Intel Corp.や韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が2010年に計画する半導体投資額と同水準であり,Siファウンドリーとしては過去最大規模といえる。TSMCの2008~2010年の設備投資総額は100億米ドルに迫る勢いだ。

40nm世代で80%の世界シェア

 TSMCは今回の設備投資のほとんどを,40nm世代以降の先端品に振り向ける。理由は,「先端品の需給が逼迫しているため」(同社 Senior Vice President, R&DのShang-Yi Chiang氏)である。特に,新しい露光技術が必要になる40nm世代では,TSMCを含む多くのSiファウンドリーが量産の立ち上げに苦労した。TSMCはこの問題を既に解決し,2009年末までに40nm世代で累計10万枚の出荷実績を達成している。この結果,「40nm世代のSiファウンドリー市場で80%のシェアを獲得した」(同氏)とする。

『日経エレクトロニクス』2010年3月8日号より一部掲載

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