消える特許
- 攻めに攻めるTSMC,大規模投資と先端開発で他社を圧倒
20nm世代の量産計画も披露 - 情報サービスの通信費を無料に,ホンダが「CR-Z」から順次展開へ
ウィルコムのデータ通信カードを標準装備 - 600℃対応の熱電モジュール,実用化に向けて焼却炉で検証開始
プランテックと昭和電工が共同で - LED照明の国際標準化を狙い,日米欧の主要照明メーカーが結集
光学エンジンの外形や電気的・光学的インタフェースなどを規定 - IBM,量産に向くプロセスでfT100GHzのグラフェンFET試作
THz動作のトランジスタの有力候補に大きく前進
ISDB-T採用の震源地,日本は先行優位を生かせるか
あなたは私の人生を誤らせた
日の丸家電を世界に売った男(最終回)厳選LSI設計講座(最終回)
アナログ・レイアウトに新手法設計期間を70%削減へ
- モバイル:ウィルコムが会社更生法を申請,次世代PHSが命運握る
- ディスプレイ:3D対応がPDPテレビの最後の砦に,立体映像の「自然さ」で液晶テレビに対抗
- 医療エレ:NTTドコモが花粉症の研究を実施,「環境センサーネットワーク」+ケータイで実現
ヒートポンプ
「特許で闘う」。こう題する特集を2000年6月19日号で執筆しました。当時は米国に端を発したプロパテント(特許重視)政策を背景として,日本でも知的財産(知財)の権利保護の強化が叫ばれ始めたころ。ビジネス・モデル特許の登場,青色LED係争やPbフリーはんだ係争の勃発などが話題になりました。それからちょうど10年が経過し,知財に対する考え方が再び変わろうとしています。
変化を象徴する現象が,いくつか起きています。その一つが,特許侵害訴訟の場で特許が効力を失う,つまり特許が無効と判断されるケースが増えていること。言うなれば,特許が少しずつ“消えている”のです。
もう一つが,中国の知財制度の変化です。中国では2009年10月から特許を他国に出願する場合,行政機関による秘密保持審査で許可を得なければならないことになりました。外国企業が中国で開発した技術も審査対象となるため,せっかく開発した技術が他国から見ると中国国内に“消えてしまう”可能性もあるわけです。最新号の特集「消える特許」では,こうした状況の中で日本メーカーが進むべき方向や中国の特許制度の動向などを探りました。
このほか最新号では,スペイン・バルセロナで2月中旬に開催された世界最大の携帯電話機関連の展示会2010 Mobile World Congressの詳報解説「LTE推進で目指す新世界,スマートフォン普及が後押し」や,抵抗変化型メモリなど新型メモリの動向をまとめた解説「ポスト・フラッシュの新メモリ,ついに量産間近」,洗濯乾燥機や電動車両などに向けて実用化が進む新型モータに関する解説「家電から始まるモータ革命」なども掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。
日経エレクトロニクス編集長 田野倉 保雄