本コラムの最終回となる今回は,メカトロ機器で頻繁に使われるステッピングモータの駆動回路について解説する。
ステッピングモータを駆動する際の一つの注意点は,ステッピングモータに加えるパルスの周波数が高くなるにつれて巻き線に電流が流れにくくなり,モータのトルクが低下することである。これは,モータの巻き線が電気抵抗のほかにインダクタンスの成分を持っているためである。
高分解能のステッピングモータを高速運転する場合,加わるパルスは10kppsを超える。インダクタンスにはそうした電流の急激な変化を妨げようとする性質があることから,モータの巻き線に電流が流れにくくなる。
その電流の流れにくさの目安となるのが,モータの電気的時定数τEである。
〔以下,日経ものづくり2010年3月号に掲載〕
ラグビーセンサ 社長