クルマの電動化で先頭を走るハイブリッド車「プリウス」だからこそ,ぶち当たった大きな試練──。

 トヨタ自動車の3代目プリウスのブレーキ問題が,リコールに発展した。低速走行時に滑りやすい路面でブレーキを作動させると,制動力が不十分になる現象が起こる。アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)に原因があるという。リコールの対象車種では油圧ブレーキと回生ブレーキを併用しているが,ABS作動時には油圧ブレーキのみに切り替わる。これ自体は,不具合が確認されていない先代プリウスと同様である。

ソフト書き換えは10分で終了

 そもそも「電子部品の塊」といわれるハイブリッド車には,膨大な量のソフトウエアが実装されている。これらの多くは「フラッシュ・メモリに格納される。暗号化しているが,プログラムの書き換え自体は難しくない」(ある車載半導体メーカーの技術者)。

『日経エレクトロニクス』2010年2月22日号より一部掲載

2月22日号を1部買う