「メカトロ講座」は,茶運び人形の開発をテーマに,一連の作業を疑似体験することで,メカトロ機器の開発手法を体得できるように狙った企画です。補習編では「回路図は怖くない」をモットーに,概念設計編や詳細設計編で紹介してきた回路図の一部を取り上げ,回路図の基本的な見方について解説します。

 メカトロ講座の概念設計編/詳細設計編の中では,幾つかの回路図を紹介してきた。その中で何度か登場したのが,直流(DC)の5V電源から±5Vの両極電圧を作り出したり,昇圧させたりする電圧変換のための回路である。例えば,詳細設計編第7回(2008年10月号)の図2に示した超音波センサ送信部では,RS-232インタフェース用駆動LSI「MAX232」とコンデンサ(キャパシタ)を組み合わせて昇圧回路を構成している(図)。今回は,こうした電圧変換に使われるコンデンサ(キャパシタ)の役割について解説する。

〔以下,日経ものづくり2010年2月号に掲載〕

図●超音波センサ送信部
詳細設計編第7回の図2と同じもの。RS-232インタフェース用駆動LS「I MAX232」とコンデンサ(キャパシタ)を組み合わせて昇圧する仕組みだ。

大畠 覚(おおはた・さとし)
ラグビーセンサ 社長
専門分野はセンサ応用製品のシステム開発,組み込み機器の開発。東芝にてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems),計測機器,防犯カメラシステム商品の開発に従事していた経歴を持つ。