2009年秋に,クリーンルームを備えた新工場を横浜市で稼働させました。食品や医薬品/化粧品のパッケージ,家電量販店などに置いてあるタレントの等身大ポスターパネルなどの印刷/加工を手掛ける印刷紙器メーカーで,印刷/加工の全工程をクリーンルーム化したのは,我が社が初めてだと思います。
一見,印刷とクリーンルームは結び付きませんよね。だって,たかが紙の箱。お客さんがそれを開けて中にある商品を出したら,ポイと捨てられてしまうだけですから。ところが,されど紙の箱なんです。
実は,食品のパッケージであれば,中に入れられる食品と同じレベルの品質が要求される。従って,食品工場の厳しい品質基準に準じて製造し,髪の毛1本たりとも,チリ1個たりとも混入することが許されない。ここ数年,食の安全に対する意識が高まってきましたが,あの影響なんです。ただ,こうした傾向は食品だけに限りません。医薬品や化粧品なども同様で,最近はパッケージに厳格な衛生管理が要求されるようになってきています。
〔以下,日経ものづくり2010年2月号に掲載〕(聞き手は本誌編集長 荻原博之)
横浜リテラ 代表取締役社長