エコカー減税の効果もありハイブリッド車が躍進した日本市場。一方、北米では需要の落ち込みに連動してハイブリッド車の販売も下降した。各社の販売状況と今後の戦略についてみていく。

 2009年の国内新車販売台数では、トヨタ自動車の「プリウス」が20万8876台でハイブリッド車(HEV)として初めてトップになった。ホンダの「インサイト」も9万3283台と好調で、8位(軽自動車を含めた総合順位、登録車では5位)に入っている。前年の2008年は軽自動車のスズキ「ワゴンR」が首位だったが、2009年はエコカー減税の効果もあり、HEVが躍進した。プリウスの販売台数は2008年の7万3120台に対し2009年はほぼ3倍(表)。ホンダも2008年は国内で5125台の販売に過ぎなかったが、インサイトの登場で1~10月では約7万5000台に拡大した。
 一方、これまで最大市場であった北米では新車販売の不振を受けてHEVも落ち込んでいる。HEV専門のWebサイト「HybridCars.com」の予測によると、2009年のHEVの年間販売台数は26万台弱と2008年の32万台から約20%縮小する。

以下,『日経Automotive Technology』2010年3月号に掲載
表 トヨタ自動車のハイブリッド車販売台数
2007、2008年はともに約43万台。2009年は年間で約53万台を販売。このほかに2009年12月に「SAI」を発売した。