ダイハツ工業は、室内空間を重視した新型軽自動車「タントエグゼ」を発売した(図)。2007年12月に発売した「タント」よりも60kg軽量化し、燃費性能を高めたのが特徴。タントが子育て層向けだったのに対し、タントエグゼではそれ以外の世代を取り込む。月間販売目標は4000台である。

 タントエグゼのベース車であるタントは、子育て層に利用してもらうために、軽自動車として初めて助手席側のセンターピラーをなくしたほか、後席はスライドドアにしていた。センターピラーがない分、開口幅は広く、幼児を抱えたまま乗り降りできる。さらに後席はスライドドアであるため、子供がドアを開け閉めしても、ヒンジドアと違って隣のクルマにぶつける心配がないというメリットがあった。
 その一方で、タントでは衝突安全性を確保するために、車体に多くの補強材が必要となり、車両質量は増えていた。この結果、タントの広い車内空間は魅力だが、あえて室内空間が少し狭い「ムーヴ」を選んで低燃費を重視するユーザーも出ていた。

以下,『日経Automotive Technology』2010年3月号に掲載
図 新型「タントエグゼ」
(a)ベース車の「タント」同様ダイハツの軽自動車の中では、室内空間が最も広いタイプである。(b)タントエグゼでは、ユーザーのニーズに合わせてセンターピラー付きにした。