次の主戦場は小型HEV

 ハイブリッド車(HEV)でも,「ヴィッツ」と「フィット」の小型車対決が始まる──。2010年1月11~24日に開催された「2010 North American International Auto Show(デトロイト・モーターショー)」では,自動車市場の次の主戦場となる小型HEV開発に向け,トヨタ自動車とホンダの両雄が火花を散らした。ここでは,「プリウス」でHEV市場の主役に立つトヨタ自動車が,小型化やコスト面で有利なハイブリッド・システムを有するホンダを追いかける構図となる。

 トヨタ自動車は,プリウスよりも小型のHEVのコンセプト・カー「FT-CH」を発表した。主力の小型車であるヴィッツのHEV化に向けた布石とみられる。FT-CHの車両寸法は,ヴィッツと比べて全幅は同じ1695mmで,全長は3895mmと,110mmだけ長い。販売価格は「プリウスよりも安くなる」(小型車の開発を担当するトヨタ自動車 常務役員の奥平総一郎氏)。発売の時期は明らかにしなかった。

 一方,ホンダは既に,小型車の主力であるフィットのHEVを2010年内に投入する方針を示している。小型HEVで重要な,低コストで小型のハイブリッド・システムの開発で優位に立つ同社は, 2010年2月に発売するHEV「CR-Z」に,「インサイト」のハイブリッド・システム「IMA(integrated motor assist)」を,ほぼそのまま流用していることを,今回の展示会で明らかにした。

『日経エレクトロニクス』2010年1月25日号より一部掲載

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