海外の省エネルギー市場で,日本企業に大きなチャンスが到来している。

 パナソニックとパナソニック電工は,デンマークの電力事業者SEAS-NVE社と共同で,スマートグリッド関連の実証実験を2009年12月に開始した。パナソニック・グループは,家電機器の電力消費量の「見える化」や,機器の遠隔制御などを行うHEMS(home energy management system)を手掛ける。2010年後半からの実用化を目指す。

 発端は,パナソニック・グループがSEAS-NVE社から話を持ち掛けられたことだ。「突然だった。いち早く実用化するには,日本企業の技術が欠かせないと言われた」(パナソニック電工 情報機器事業本部 戦略企画担当副理事の天野博介氏)。2009年5月にSEAS-NVE社が日本を訪問し,同年9月に共同開発が決まった。

 SEAS-NVE社は,デンマークで40万の顧客を抱える第2位の電力事業者である。送電と配電事業を担い,再生可能エネルギーの導入を積極的に推進してきた。複数の発電事業者への出資を通じて,デンマーク国内に約600基,国外に約100基の風力発電機を有する。

コペンハーゲン郊外のソレにある実験用住宅

『日経エレクトロニクス』2008年12月28日号より一部掲載

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