登校拒否の児童や生徒が増えているそうだ。学校での人間関係や家庭の事情など,そこにはいろいろな要因があるのだろうが,いずれにしても多感な時代に学校に行けないのは不幸なことだ。そして多くの場合,登校拒否児童はある期間,学びの機会を喪失したことになり,そのダメージを引きずることになる。
かつて登校拒否児童だった若者を筆者も知っているが,失った時間を取り戻す努力は,はた目で見ても並大抵ではない。彼はとても思慮深く,普段は穏やかな性格なのだが,物事のある部分にこだわることがあり,大半の人が許せるところがどうしても許せない,そんな一面があるようだ。登校拒否を悪く言うつもりはないし,ましてや否定などはしないが,残念ながら登校拒否は,その後になっても厳しい状況があるように思う。
ところが今回の話は,この登校拒否から始まったともいえる,開発の成功事例なのである。それも,宇宙へ羽ばたくような,爽そうかい快かつ夢のある話だ。
〔以下,日経ものづくり2010年1月号に掲載〕
システム・インテグレーション 代表取締役