これまで超音波センサ受信部の処理回路を題材に,アナログ回路の基本を解説してきた。補習編4回目となる今回は,ツェナーダイオード(ZD)と,ZDを用いた定電圧回路について説明する。さらに,同処理回路における解説の締めくくりとして,アナログスイッチ(SW)に使われているデジタル回路(論理回路)の基本についても触れる(図)。
ZDの動作を理解する
図の制御信号生成部の左端に配した,定電圧を発生させる回路(定電圧回路)で用いられているのがZDだ。ZDは,補習編第1回(2009年10月号)でも説明したように,ツェナー電圧と呼ばれる値以上の逆電圧を抵抗器などを介して印加したときに,同素子の電圧降下がツェナー電圧と等しくなるように逆方向にも電流を通すダイオードである。この回路では,グラウンドとマイナス側の電源との間にZD1と抵抗器R14を直列に接続して挿入してあるので,ZD1とR14の間の電圧は,ZD1のツェナー電圧である-2.5Vとなる。
〔以下,日経ものづくり2010年1月号に掲載〕
ラグビーセンサ 社長