この半世紀の間で,半導体や液晶パネルなど電子デバイスの進歩は,人々の生活や社会活動の在り方を劇的に変えた。その電子デバイスの成長に壁が見え始めている。微細加工技術の進歩と基板の大型化に頼った技術開発,高性能なIT(情報通信技術)機器を広く普及させることに注力する応用開拓,垂直統合型から水平分業型への産業構造の移行。こうした電子デバイス市場が急成長した要因となった手法が通用しにくくなった。しかし,次の成長につながる未来の芽は既に出てきている。過去の成功にとらわれずに,育成していく必要がある。