金融危機は,電子デバイス産業が潜在的に抱えていた構造的な問題を,一気にあぶり出した。これまでの事業手法の常識が通用しない「新興国市場への対応」,パソコン,携帯電話機,デジタル家電に続くデバイス市場の成長を牽引する「新応用の創出」,微細化や基板の大型化に代わる「新しい技術の進化軸の探求」。電子デバイス産業が今後も継続的に成長していくためには,こうした問題を解決しなければならない。もはや既存のトレンドに沿った対策では通用しないことは明らかだ。NIKKEI MICRODEVICESが,定説や定石,既存事業の方向性をいったん白紙にして考えた,電子デバイスの未来に向けた五つの提言を示す。