クルマが磨く環境材料
コスト競争に陥らぬ道を進み,LTE以降のケータイの姿を探る
- ソニーの新ネット・サービス,ゲーム機を軸に再出発
家電を連携させる顧客IDの統合実現がカギに - Chrome OSが目指すもの,Google理想のクラウド端末実現へ
共同創業者のBrin氏はAndroidとの将来の統合を示唆 - 日立,パナソニック,東芝,ミリ波通信チップを独自開発へ
テレビや録画機,ケータイへの搭載を視野に - 車載2次電池の次世代を探る,トヨタと日産が相次ぎ講演
第50回電池討論会から - 1層25Gバイトから33.4Gバイトへ,BDの大容量化が視野に
ソニーとパナソニックが新たなディスクの評価手法を提案
「CELL REGZA」が搭載する並列化技術「Molatomium」
東芝 ディジタルメディアネットワーク社 コアテクノロジーセンター エンベディッドシステム技術開発部
はじめての入札
伊方原発,中央制御盤のデジタル化(上)厳選LSI設計講座(第4回)
動作合成はどこまで使えるか,画像処理LSIの開発事例に見る
- クルマ:中国発「Androidカーナビ」は“スマートフォン”,誰もが作れる時代へ
- 部品/部材:長距離通信用光ファイバにノーベル賞,着目点の違いが明暗分ける
- 組み込みソフト:MontaVista社を米国半導体メーカーが約45億円で買収
プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)
トヨタ自動車が高級セダンの新型ハイブリッド車「SAI」を2009年12月7日に発売しました。同社としては「プリウス」「LEXUS HS250h」に続く3車種目のハイブリッド専用車となります。受注台数は10月20日の発表から1カ月間で約1万4000台と,月販目標台数3000台を大きく上回り,「大変好調な立ち上がり」(同社)ということです。
環境にやさしいクルマとして今年,大いにブレークしたハイブリッド車ですが,SAIにはこれまでのハイブリッド車にはない,新たな環境技術が搭載されています。それは,室内表面積の60%にも及ぶ個所に植物性樹脂を採用したことです。クルマにこれだけ多くの植物性樹脂を使った例はこれまでにありません。車載基準に見合う樹脂が存在しなかったためです。
こうした状況が変わりつつあることを,SAIは示しています。一皮むけた植物性樹脂が自動車で本格的に採用されていけば,量産効果によるコストダウンや供給体制の整備が進み,やがては家電機器などにも用途が広がることでしょう。植物性樹脂のほか,高い耐熱性や耐衝撃性などを備えたPbフリー接合剤(Pbフリーはんだや導電性接着剤など)に関しても,自動車への本格採用を狙った技術開発が進行中です。ここでも自動車がテクノロジー・ドライバーとなり,自動車以外にも採用がジワジワと広がっていくという展開が起こりそうです。こういった視点から今回の特集「クルマが磨く環境材料」をまとめました。
このほか最新号では,東芝が発売した液晶テレビが家電業界にもたらす意味を考察した解説「CELL REGZAが映し出す明日のテレビ」,米Microsoft社のクラウド戦略をまとめた解説「ポストWindowsは「どこでもドア」」なども掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。
日経エレクトロニクス編集長 田野倉 保雄