ディスプレイ部とキー操作部を分離

 NTTドコモと富士通が開発した2010年春モデルの携帯電話機「F-04B」。「セパレートケータイ」と名付けられたこの端末は,ディスプレイ部とキー操作部を分離できるのが特徴だ。

 F-04Bは通常,一般的なスライド式の携帯電話機として使用できる。端末下部に配置したボタンを押してディスプレイ部とキー操作部を分離すると,QWERTYキーボードが現れる。両者の通信にはBluetoothを用いており,分離した状態でも操作が可能だ。例えば,キー操作部で音声通話をしながらディスプレイ部で電話番号データを検索するといった利用方法も可能になる。

 ハードウエア仕様としては,ディスプレイ部に通信機能やアプリケーション処理機能,1220万画素のカメラなど,国内端末で一般的な主要機能をほぼすべて備える。3.4型液晶ディスプレイの表面には,文字入力に対応したタッチ・パネルを搭載する。「ディスプレイ部は米Apple Inc.の『iPhone』のようなもの。これだけでも使用できる」(富士通 執行役員 モバイルフォン事業本部長の大谷信雄氏)という。キー操作部は,キーボードとヘッドセットを備えた“Bluetooth周辺機器”とも言える。

ドコモから企画を提案

 携帯電話機の筐体形状はこれまで,折り畳み型や回転2軸型など,さまざまな開閉機構が採用されてきた。セパレート型の登場の意味についてNTTドコモは,「さらなる形状の進化や自由度を得るには,上下の筐体をつなぐヒンジの制約を破る必要がある。これが開発のきっかけ」(同社 プロダクト部 第三商品企画担当課長の丸山聡史氏)と語る。

『日経エレクトロニクス』2009年11月30日号より一部掲載

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