特集

プリンタブルからプリンテッドへ

印刷で作るエレクトロニクスが現実に
特別企画

低炭素社会への移行を契機に,新エネルギー市場が拡大へ

[ELECTRONICS, GO FOR 2010]第5回 エネルギー
NEレポート
寄稿

液晶大手・AUO社の電子ペーパー事業戦略

CT Liu氏
台湾Au Optronics Corp.,Senior Vice President,Consumer Product Display Business Group
インタビュー

世界シェア1位でも,伸びしろはまだ93%ある

Philip Carmichael氏
中国Haier Electrical Appliances Co., Ltd.,CMI Overseas,President Asia Pacific
ワールド・レポート from China
AndroidベースのOPhone,中国発で世界を狙う
ドキュメンタリー

企業の最先端技術を高校のノウハウで授業に

横浜サイエンスフロンティア高校の開校(第3回)
NEアカデミー
Liイオン電池古今東西 ─第3回─

量産目前の落とし穴,安易な工程変更があだに

組み込み寺子屋2 ─最終回─ 修了検定(下)

開発や管理の技術をおさらい,設計やテスト,プロセス改善

クローズアップ
  • モバイル:無線LANやフェムトセル活用で,通信トラフィック急増に対処
  • ディスプレイ:網膜走査ディスプレイが大幅に小型化,緑色半導体レーザで最後の壁を越える
  • 医療エレ:電池駆動の小型健康機器にも通信を,有力候補にFeliCaが浮上
キーワード

電気2重層キャパシタ(EDLC)

編集長から

 プリンタブル・エレクトロニクス――。ここ数年,弊誌でも取り上げてきたテーマです。プラスチック基板上にTFTや配線,受発光素子などを印刷で作り込む技術のことを指します。この技術が今,変化点を迎えています。

 プリンタブルという名前が示すように,印刷で製造できるという「可能性」がこれまで強調されてきました。それが最近では実際の製品に使われ始めたことから「プリンタブル・エレクトロニクス」ではなく,「プリンテッド・エレクトロニクス」と呼ばれることが増えてきたようです。

 プリンテッド・エレクトロニクスの実用化に向けた動きが加速しているのは,他社製品と差異化するための切り札として,多くのメーカーが注目するようになったためです。印刷に使う材料や処理方法には多くのノウハウが含まれており,誰でも間単にマネできるものではありません。使用する材料が化学変化を起こしたりするため,完成品を分解・分析しても製造手法が分かりにくいとされています。

 部品を購入すれば,誰でも簡単に作れるようになったデジタル家電。こうした状況下,プリンテッド・エレクトロニクスは材料・印刷などの技術力に優れる日本メーカーが,反転攻勢をかけるための大きな武器になるのでは・・・。こういった視点から今回の特集「プリンタブルからプリンテッドへ――印刷で作るエレクトロニクスが現実に――」をまとめました。

 このほか最新号では,先日の2審で一転無罪の判決が下った「Winny裁判」に関する解説「『Winny裁判』があぶり出すソフトウエア開発の落とし穴」,携帯電話機に向けたアプリケーション・ソフトウエアについての解説「『Appleに続け』,競争激化するケータイ向けアプリ・ストア」,東芝がついに発売した携帯機器向け燃料電池を分解・分析した「東芝の燃料電池を開けてみた」なども掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。

日経エレクトロニクス編集長  田野倉 保雄