カーナビと同等の機能をゲーム端末や携帯電話で実現する動きが強まっている。この基本となるのがGPSだが、街中での受信環境に制約がある。無線LANの電波を使うことで位置情報をより正確に推定できるサービスを実用化した。
クウジットは、無線LAN の電波情報から位置情報を推定するサービス「PlaceEngine」(注)を提供している。この技術はソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)が開発したもので、ソニーCSLから独立した技術者が2007年7月にクウジットを設立し事業化した。
PlaceEngine に対応した、携帯端末やカー・ナビゲーション・システムであれば、GPS(Global Positioning System)が受信できない街中でも、低コストで精度良く現在地を推定することができる。
通常、街中の無線LANはインターネットに接続するために利用される。PlaceEngineでは、この無線LANを全く異なる用途に利用する。無線LANの電波の情報を使い、アクセスポイントの推定位置情報を含む独自のデータベースと照合することで現在地を求める。
インターネットの普及で、街中には無線LAN のアクセスポイントが増えている。家庭では1台、オフィスビルではフロアごとに配置しているケースが多い。街中には、現在地を推定するのには十分な数のアクセスポイントがある。
一方で、カーナビに対応した携帯端末や携帯電話は、今後無線LAN 機能を搭載する傾向が強まっている。インターネットからの大容量コンテンツのダウンロードや、端末同士でのデータ通信などに対応できるからだ。街中のアクセスポイント、端末の無線LAN対応、両者の対応が進むことで、PlaceEngine を利用する環境は整いつつある。