トヨタ自動車は、中型SUV「ランドクルーザープラド」を全面改良した(図)。これで4代目になる。未舗装路での走破性を守りながら、舗装路での走りにも目を配った。

 舗装路での乗り心地を向上させるため、ロール制御機構「KDSS(キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)」のアキュムレータに電磁弁を追加した。アキュムレータを積極的に空気ばねとして機能させる。
 同社は2007年9月に全面改良した大型SUV「ランドクルーザー」からKDSSを採用している。前後のスタビライザの支点と車体の間にシリンダを設け、前後のシリンダ同士を配管で結ぶ。車体がロールするときは前後のスタビライザが同じように動くので、内圧が変わるだけでシリンダ内のピストンは動かず、スタビライザが機能する。ロールでなく、前後が逆の方向に動くときは配管を通じて油が前後に移動するためピストンが動く。この場合はスタビライザが働かず、4輪が自由に動いて接地性を高める。

以下,『日経Automotive Technology』2010年1月号に掲載
図 ランドクルーザープラド
撮影車は排気量2.7Lの直列4気筒エンジンを積んだ「TX」。