「メカトロ講座」は,茶運び人形の開発をテーマに,一連の作業を疑似体験することで,メカトロ機器の開発手法を体得できるように狙った企画です。補習編では「回路図は怖くない」をモットーに,概念設計編や詳細設計編で紹介してきた回路図の一部を取り上げ,回路図の基本的な見方について解説します。

 前回に引き続き,超音波センサ受信部の処理回路を題材に,アナログ回路の基本を解説する。補習編2回目の今回は,アナログ回路の中でもとりわけ重要な素子の一つであるオペアンプについて取り上げる(図)。

 オペアンプとは,オペレーショナル・アンプリファイア(OperationalAmplifier)の略で,和訳すると演算増幅器という意味の素子である。アナログ電圧を入力するための二つの端子(非反転入力端子/反転入力端子)と,それら二つの電圧の差を増幅して出力する一つの端子,およびオペアンプを動作させるための電源接続端子(正負)といった,最低五つの端子を持つ。前回も紹介したが,回路図では,オペアンプの電源への接続は図のように省略されることが多い。

〔以下,日経ものづくり2009年11月号に掲載〕

図●超音波センサ受信部の処理回路
白抜きの部分が今回の解説に関連している個所。
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大畠 覚(おおはた・さとし)
ラグビーセンサ 社長
専門分野はセンサ応用製品のシステム開発,組み込み機器の開発。東芝にてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems),計測機器,防犯カメラシステム商品の開発に従事していたという経歴を持つ。