次々世代の太陽電池に向けた技術開発競争が幕を開けた。目標は光電変換効率40%超の「究極の太陽電池」。従来の延長線上にない技術を使い,既存の太陽電池の限界突破を目指す。この実現により家庭や発電所などへの普及がさらに進むだけではなく,自動車や携帯機器といった設置面積が限られる用途の開拓が容易になる。究極の太陽電池を実現するには,すべての波長の光を徹底的に利用する必要がある。そのために太陽電池メーカーは,量子ドットや多接合といった技術のほか,異分野で使われているフォトニック結晶技術やナノ材料といった新たな製造方法を取り込み始めた。