大容量キャパシタの市場は、Liイオンキャパシタの普及と、自動車のアイドリングストップ用途が需要のカギを握る|こうした予測を矢野経済研究所が「大容量キャパシタ市場に関する調査結果 2009」で明らかにした。なお、ここで大容量キャパシタとは、静電容量が1Fより大きく、セル形状の円筒型や角型のキャパシタを指す。
 従来型の大容量キャパシタはエネルギ密度が低いという課題はあるものの、充放電がしやすく、耐久性も高いことが2次電池より有利である。一部の自動車だけでなくOA機器、搬送機、また精密機器製造ラインなどで使う瞬間的な電圧の低下を補償する装置で用途開拓を図り、市場規模は堅実に拡大している。
 2008年度は下期からの景気後退の影響を受け、市場規模は30億5500万円と伸び悩んだ。2009年度は35億1500万円と同年度下期には再び拡大基調に転じ、2010年度に 43億4500万円、2013 年度に70億4000万円と同社は予測する(図)。このうち20億円弱はLiイオンキャパシタが占め、2008年度からの伸び量の約半分がLiイオンキャパシタということになる。

以下,『日経Automotive Technology』2009年11月号に掲載
図 大容量キャパシタの市場規模予測
メーカー出荷価格ベース、2009年度以降は予測値。(出典:矢野経済研究所)