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雑誌 Cover Story

EVはチャンスかリスクか

業界構造の変化に打ち勝つ

2009/09/30 13:48
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 電気自動車(EV)に対する期待が、日増しに高まっている。2020年には世界市場の1割がEVになるという予測も出てきた。ただし、高い電池コスト、短い航続距離、新規参入が容易、という三つのリスクは残ったままだ。日産自動車は、業界に先駆けて数万台規模の量産を始める。はたして同社はこれらのリスクを、チャンスに変えることができるのか、その勝算を探った。

Part 1:低コスト化が普及のカギ

ガソリン車と同等に価格を下げる 電池事業に参入しIT事業も拡大へ

日産自動車が2010年度に5万台規模で電気自動車(EV)の量産を開始する。世界的に強まる環境規制への対応と、Liイオン2次電池技術の性能向上がEV実用化の背景にある。日産はEVの投入で先行することで、トヨタ自動車やホンダを一気に引き離す作戦だ。しかしEVには依然として、高コスト、短い航続距離、容易な新規参入という三つのリスクがある。電池のコストをどこまで抑えられるかで、EVをチャンスにできるか、リスクになるかが決まる。

 日産自動車が、EVで本格的な攻勢に出た。「2020年には世界の自動車市場の1割、約600万台が電気自動車になる。そのころ当社はEV市場のリーダーになっている」(同社CEOのCarlos Ghosn氏)――2009年8月の電気自動車(EV)「リーフ」の発表会で、Ghosn氏が発言した市場予測は、業界関係者に驚きを与えた(図)。
  野村総合研究所の試算では、世界のEV市場は2015年で約50万台。「2020年の見通しは不確定だが150万台程度」(野村総合研究所上級コンサルタントの風間智英氏)にとどまると見る。富士キメラ総研の調査では、2015年で20万2000台、2020年で44万5000台とさらに控えめ。EV市場の予測データには、調査機関ごとに大きな開きがあるが、Ghosn氏の強気の見通しはEV市場を“大きなチャンス”と捉えていることの表れといえるだろう。

以下,『日経Automotive Technology』2009年11月号に掲載
図 日産自動車の「リーフ」
2010年度に日米欧で発売する。Liイオン2次電池を採用し、航続距離は160km(LA4モード)以上。

Part 2:各社の最新EV

内製にこだわる日産 プラットフォームは専用設計

日産自動車、三菱自動車、富士重工業のEVメーカー3社の中で、日産の内製へのこだわりは突出している。日産は、EV専用のプラットフォームを新たに設計した。電池容積に合わせたフロア設計で室内空間を確保する。大容量の電池を搭載するが、セルは薄型のラミネート構造であるため、自然空冷で対応する予定だ。これに対し三菱の「i-MiEV」は急速充電時の電池の発熱を抑えるために、エアコンの冷気を送る機構を備えた。日産はEVで初めて協調回生ブレーキを採用する。モータでの回生量を増やし、エネルギ効率向上につながる。

 日産自動車「リーフ」、三菱自動車「i-MiEV」、富士重工業「プラグインステラ」。これら国内メーカーの電気自動車(EV)の仕様を見ると、日産のプラットフォームの設計や基幹部品の製造、コスト低減の考え方が他の2社と大きく違う。
 日産はリーフのために、EV専用のプラットフォームを開発した。EVの基幹部品である、モータとインバータも内製でモータは横浜工場、インバータは座間事業所で生産する。Liイオン2次電池はNEC、NECトーキンとの合弁会社であるオートモーティブエナジーサプライ(AESC)製だ。
 一方、i-MiEVは軽自動車「i」、プラグインステラは「ステラ」をそれぞれベースとし、既存の車体を流用して設計した。両車ともに、モータとインバータは自社設計であるが、製造は電機メーカーに任せている。Liイオン2次電池は、i-MiEVが合弁会社で生産した電池を使うのに対し、富士重工は電池も外注と割り切った。

以下,『日経Automotive Technology』2009年11月号に掲載

Part 3:電池の寿命を伸ばす新材料

鉄系材料の開発進む 将来はSiの利用も視野に

充放電回数が増えても劣化の少ない材料、エネルギ密度が高い材料、に注目が集まっている。劣化が抑えられれば、電池の寿命を伸ばすことができ、電池を長く使えるようになるからだ。また、エネルギ密度が高ければ、電池の材料は少なくて済む。どちらも電池の低コスト化につながり、EVの普及に不可欠な技術だ。現在の正極材料であるMn系、負極材料の炭素系の置き換えに向けて、開発が加速している。

 パート1で述べたように、電気自動車(EV)はLiイオン2次電池のコストが高いことが課題だ。電池メーカーや材料メーカーは、電池のコストを抑えるために、新しい電極材料の開発や評価に力を注いでいる。具体的には、長期間の使用でも性能の劣化が少ない材料や、エネルギ密度が高い材料である。
 寿命の長い材料として、正極材のリン酸鉄リチウム(LFP)や負極材のチタン酸リチウム(LTO)がある。エネルギ密度が高い材料としては、負極材のSi(シリコン)などが想定されている。電極の材料として様々な種類の開発が進んでいるが、材料によって電位と理論容量は異なる。

以下,『日経Automotive Technology』2009年11月号に掲載

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