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日経エレクトロニクス2009年10月5日号
解説

リアルタイム化でよみがえるレイトレーシング技術

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日経エレクトロニクスPremium
2009/10/01 16:00
進藤 智則=日経エレクトロニクス

柔らかい影,間接光,そしてガラスや液体などによる光の屈折─。 一見してコンピュータ・グラフィックス(CG)とは思えない,実写と見まがうばかりの映像を生成するレイトレーシング技術が今,ゲームや映画製作,さらには自動車をはじめとした工業デザインの分野で注目を集めている。マルチコア型マイクロプロセサやGPUの劇的な性能向上により,ついにリアルタイムのレイトレーシングが視野に入ってきた。

本物と見まがうような画像を生成するレイトレーシング
(左上の写真:ドイツmental images社。originfx,Erik Anderson,rendered with mental ray)

  コンピュータ・グラフィックス(CG)の分野で今,にわかに注目を集めている技術がある。光の挙動を忠実に模擬することで,実写と見まがうばかりの映像を合成できる「レイトレーシング(ray tracing)」と呼ばれる技術だ。

 レイトレーシング技術の歴史は古い。基本原理は1979年に発明されている。既に30年近い歴史を持つ技術が,なぜ今になって,再び注目されているのか─。

 最大の要因は,マルチコア型マイクロプロセサやGPUなど半導体の性能向上により,レイトレーシングによる映像の生成が大幅に高速化し,ついにリアルタイムでの実行が視野に入ってきたことにある。レイトレーシング技術は一般的なCG技術と比べて,より忠実に光の挙動を模擬するため計算量が膨大になる。従来は1フレームの画像生成だけで数分〜十時間もの時間を要していたが,これを100ms以下の時間で処理できるようになれば,これまでハリウッドの映画製作や工業デザイン,建築デザインなど限られた分野でしか利用されてこなかったレイトレーシングの適用分野が大幅に広がる。

『日経エレクトロニクス』2009年10月5日号より一部掲載

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