構図や撮影条件もおまかせ

 「記憶と記録はなかなか同時に残せない」(ソニー パーソナル イメージング&サウンド(PI&S)事業本部 商品企画部門 周辺機器商品 企画部の近藤隆司氏)─。写真を撮影する際,被写体となる人物はカメラを意識してしまうため,自然な表情を撮るのは意外と難しい。楽しかった「記憶」をそのまま写真として「記録」できないことに不満を持つユーザーも多い。こんな写真撮影の普遍的な課題の克服に,ソニーが取り組んだ。

 同社は2009年9月に,デジタル・カメラのカメラ・スタンド(雲台)「Party-shot(パーティーショット)IPT-DS1」を発売した。スタンドが回転(パン)とカメラの角度調整(チルト)を実行し,写真を自動で撮影する。ソニーは,カメラの存在感を消せば,被写体の自然な表情を取れると考えたわけだ。子供の笑顔や家族の団欒(だんらん),仲間と集まっているときの楽しい雰囲気などをそのまま写真として切り出すのが狙いである。

 現在対応するカメラは,IPT-DS1と同時に発表したコンパクト型デジタル・カメラ「サイバーショット DSC-WX1」と「同 DSC-TX1」の2機種である。

『日経エレクトロニクス』2009年9月21日号より一部掲載

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