LED照明,戦国時代
Ciscoがネット家電に抱く野望
競合メーカー破綻後の戦略,NORだけでは成り立たない
スイスNumonyx B.V., Senior Vice President, Worldwide Sales & Marketing
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2009年に入り,LED照明市場が大いに盛り上がっています。環境負荷に対する世間の関心が高まっているのに加えて,LEDの性能向上と低コスト化が進んだことで「LEDが主照明」という時代が現実味を浴びてきたためです。実際,大手照明メーカーからは「2012年ごろには蛍光灯と競う照明になるだろう」との声が聞かれるようになりました。
LED照明の本格普及を目前に控え,古参の照明メーカーは新製品を市場に投入していますが,ある異変が起きています。これまで照明とはそれほど深い関係のなかった異業種がLED照明市場を狙い,次々と新製品を発売しているのです。価格が既存製品の半分という製品も登場し,業界に衝撃が走りました。対抗上,他のメーカーなども同様の価格設定で製品を発売するようになっています。
以前の照明業界では,こういった競争は起こりえませんでした。特に光源は,専用設備で大量生産する設備産業のため,新規参入は実質的に不可能でした。加えて,そもそも照明市場はほぼ成熟し,リスクを冒してまで参入するメリットはなかったのです。ところがLEDの登場によって,業界に風穴があきました。LEDチップなどを購入さえすれば,誰でも照明メーカーになれる時代がやってきたのです。
さて,新規参入組はどういった戦略を描きながらLED市場で戦うのか,古参企業はどう迎え撃つのか,そして海外メーカーの動きは・・・。こういった視点から最新号の特集「LED照明 戦国時代」をまとめました。
このほか最新号では,ネットワーク関連機器の巨人,米Cisco社の動向を追った解説「Ciscoがネット家電に抱く野望」,急速に動き始めた電子書籍市場についての緊急対談をまとめた解説「明日の電子書籍市場を占う」なども掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。
日経エレクトロニクス編集長 田野倉 保雄