設計部門や生産部門だけでなく,販売やメンテナンスなども含めた,製品に携わるあらゆる部門での情報共有を目的とするPLM(ProductLifecycle Management)。この概念が提唱されて久しいが,明確な定義がないまま今に至っているのが現状だ。本誌は毎年, PLMに対する認識と導入状況の実態を調査しているが,2009年の結果からは,PLMの具体的なイメージが定着しているとまではいえないが,徐々に狙いや効果に対する理解は高まってきていることが分かった。

 明確な定義がない概念的なものだけに,PLMとはどのようなものなのかという具体的なイメージを持つのが難しい。そこで,まずはPLMに対する認識がこの1年ほどでどのように変化したのかを聞いた(Q1)。「以前と変わらず,具体的なイメージが描けない」が49.6%と半数近い。

 しかし,「今は,具体的なイメージを描けるようになった」が16.4%いることに注目したい。「以前と同様に,具体的なイメージを描けている」が17.8%だったことを考え合わせると,具体的なイメージを描ける人が,この1年で約2倍になっている。

〔以下,日経ものづくり2009年9月号に掲載〕