白金不要の可能性を秘めるNb系触

 昭和電工は,固体高分子型燃料電池(PEFC)用触媒として,現行のPt(白金)といった高価な貴金属に代わる触媒を開発した。開発した触媒は,Nb(ニオブ)系酸化物やTi(チタン)系酸化物のそれぞれに,C(炭素)およびN(窒素)などを配合したもの。今回の開発は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「酸化物系非貴金属触媒プロジェクト」の下で,横浜国立大学 教授の太田健一郎氏らと開発を進めているもの。

 PEFCにおいて触媒は,H(水素)とO(酸素)の化学反応を促進させる役割を担っている。現在,触媒として使われているPtは希少金属であり,1g当たり4000円強と高価である。触媒のコスト低減は,PEFC普及に向けた大きな課題となっている。

『日経エレクトロニクス』2009年8月24日号より一部掲載

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