ライセンス提供における「拘束条件」を問題視

 日本の公正取引委員会(公取委)は米Qualcomm Inc.が独占禁止法に違反していると判断し,排除措置命令の草案を2009年7月27日に事前通知した。Qualcomm社からの反論を受け付け,それを基に排除措置命令を出すかどうかの最終判断を行う。

 公取委は2006年11月に,独占禁止法違反の疑いがあるとしてQualcomm社の調査を開始していた。その結果,公取委は独占禁止法第19条で禁止されている「不公正な取引方法」の「拘束条件付取引」に当たると判断したもようである。第3世代移動体通信方式であるW-CDMAの特許ライセンス契約で Qualcomm社は,携帯電話機メーカーに「端末価格の5%未満」のライセンス料を課している。それに加えて,携帯電話機メーカーが所有するCDMA関連の特許について,「Qualcomm社の無償利用を認める」という無償許諾条項と,「Qualcomm社を特許侵害で訴えない」という非係争条項を求めていたとされる。公取委はこれが拘束条件付取引に該当すると判断したようだ。

『日経エレクトロニクス』2009年8月24日号より一部掲載

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