日産の電気自動車は専用車体に加えて主要部品を内製

 「2010年秋から年産5万台」「2012年に世界で年産20万台」─。

 野心的な電気自動車(EV)の事業計画を発表していた日産自動車。年産5万台という数字は,2008年の同社の国内車種別販売数で,小型車「キューブ」を抜いて4番目に入る台数である。

 日産自動車は2009年7月下旬に「先進技術説明会&試乗会」を開催し,2010年度後半から日米欧で発売予定の電気自動車の,技術的な内容の一部を明らかにした。さらに2009年8月2日,新本社の竣工式にて外観および車名「リーフ」を発表した。

米国市場を意識した設計

 リーフに投入される技術は,日産自動車の強気な見通しと同様に,力の入ったものだった。モータやインバータといった主要部品は内製化する。モータは同社の横浜工場,インバータは座間工場で製造する計画。これらを追浜工場で専用車体に組み付ける。Liイオン2次電池に関しては従来の発表通り,日産自動車とNEC,NECトーキンの合弁会社であるオートモーティブエナジーサプライ(AESC)が座間工場で製造する。

 サイズは,米国市場を強く意識したようだ。定員4~5人と電気自動車としては比較的大きな小~中型車を想定する。モータの最大出力は80kW,トルクは280Nmと大きい。「米国のフリーウエイを快適に巡航する」(日産自動車 Nissan PV第一製品開発本部 Nissan PV第一製品開発部 第四プロジェクト統括グループ主管の松田俊郎氏)ためだ。最高速度は140km/h以上を実現する。この結果,車両重量は1.6~1.7tとなるもようである。これは三菱自動車が 2009年7月に発売した軽自動車ベースの電気自動車「i-MiEV」と比べて20~30%重い。

『日経エレクトロニクス』2009年8月10日号より一部掲載

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