ストラーダポケットの内部構造

 パナソニックは2009年6月に「ストラーダポケット(CN-MP100D/200D)」シリーズを発売し,簡易型カーナビ(PND)市場に本格参入した。今回の製品は,これまでの中国生産から自社での開発・生産に切り替え,国内市場に注力する。国内のPND市場で先行する三洋電機「ゴリラ」などを追いかけるべく,同製品は「本格派PND」とうたう。据置型カーナビに引けをとらないナビゲーション性能と,持ち運び性を両立した意欲作とパナソニックは自負する。本誌は,開発者立ち会いでワンセグ受信機能付きの上位モデルCN-MP200Dを分解した。

2次電池の厚みで配置に制約

 パナソニックは今回の製品で,筐体背面を曲面にして,外側を絞ったデザインを採用した。車外への持ち出しを想定し,製品に小型ですっきりとした印象を与えるためである。このデザインの実現で犠牲になったのが部品レイアウトだ。構成部品のうち最も厚みのあるLiイオン2次電池を中央に配置せざるを得なかった。メイン基板は,スペースを活用しづらいコの字の形状になった。例えば,SDメモリーカード用スロットはメイン基板に実装せず,加速度センサや角速度(ジャイロ)センサなどとともにサブ基板として切り離した。ある台湾ODMメーカーの技術者は,低コストが求められるPNDでこのように2枚の基板を使う構成は珍しいとする。

 パナソニックは細かいコスト低減の工夫も盛り込んだと説明する。Liイオン2次電池の固定に両面テープなどを使わず,緩衝材を挟み,すき間を埋めただけにした。GPSアンテナ用基板もねじ留めせず,裏側の筐体に作られたすき間にはめ込むだけにして,組み立て工数を低減した。パナソニックは,今回の製品から国内生産に切り替えており,これに伴うコストの増分をこうした工夫で圧縮する必要があったという。

『日経エレクトロニクス』2009年7月27日号より一部掲載

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