急拡大が見込まれる電子ペーパー市場

　電子書籍端末などの用途をはじめとして，今後，急速な市場の拡大が見込まれている電子ペーパー。2009年に入り，本格的な市場成長を前にした業界構造の再編が相次いだ。2009年3月には，液晶パネル大手の台湾AU Optronics Corp.（AUO社）が，電子ペーパー・メーカー第2位の米SiPix Imaging Inc.を買収。同年6月には，液晶パネル・メーカーの台湾Prime View International Co., Ltd.（PVI社）が，電子ペーパー最大手の米E Ink Corp.を買収すると発表した。

　「電子ペーパーはいつの間にか台湾の産業に変貌してしまったが，何か手はないのか…」。2009年6月末に国内で開催された，電子ペーパー技術者らによるパネル・ディスカッションでは，このような議題が持ち出されていた。業界再編の結果として，将来有望な電子ペーパー産業の拠点が台湾に集約されたことに対し，焦りを見せる国内の関係者は少なくない。

『日経エレクトロニクス』2009年7月27日号より一部掲載

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