ノルウェーは電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の普及に積極的だ。今回は、ノルウェーのStavangerで開かれた電動車両のシンポジウム兼展示会「EVS24」に参加、ノルウェーの電気自動車事情を紹介する。

 5月に開かれた電動車両のシンポジウム兼展示会「EVS24」にはノルウェーで生産するEVが集まった。ノルウェーThink社「city」や同Elbil Norge社「buddy」、インドTata Motors社の「IndicaVista EV」などだ。隠れたEV生産国ノルウェーの電気自動車事情を調べた(図)。
 ノルウェーの総面積は日本とほぼ同じ39万m2で、総人口は福岡県よりやや少ない467万人。国土はスカンジナビア半島西側の大小5万の島々によって形成され、その約70%は山岳地帯となり、平坦地には牧草地域が広がる。首都オスロの1月の平均気温は-5.8℃、8月でも15.8℃までしか上がらない。
 同国が環境への取り組みを進めている背景にはエネルギ大国でありながら、CO2排出量も多い事実がある。同国は北海油田があるため、石油輸出で世界第5位、天然ガス輸出で世界第3位であり、これらの事業に3万人の雇用がある。
 CO2排出量は、石油産業だけで全体の36%を占め、公共交通が発達していないため輸送部門も26%を排出している。全体の半分以上を石油産業と輸送部門が占めるため、輸送部門でのCO2排出量削減が急務となっている。

以下,『日経Automotive Technology』2009年9月号に掲載
図 ノルウェーのStavangerで開催した「EVS24」
三菱自動車の「i-MiEV」をはじめ、ノルウェーElbil Norge社の「buddy」(左)、同Think社「city」(中央)が並んだ。