「人とくるまのテクノロジー展2009」では、「インサイト」や「プリウス」など新型ハイブリッド車向けの技術や部品展示に注目が集まった(図)。一方で、トヨタの小型車「iQ」やインドTata Motors社「Nano」向けに小型・低コスト化した部品、樹脂を原料にして軽量化した部品の展示も相次いだ。

図 「人とくるまのテクノロジー展2009」の会場
2009年5月の3日間の会期中、約5万人が来場した。

 ホンダは、新型「インサイト」のカットモデルを展示した。これに合わせて、住友電気工業がCu(銅)の巻き線を、TDKがNd(ネオジム)系磁石を、インサイトの駆動用モータに供給したことを明らかにした。
 住友電工が、ホンダ向けにハイブリッド車用モータの巻き線を提供するのは、2005年9月に発売した「シビックハイブリッド」に続くもの。2010年に発売する「CR-Z」にも採用が決まっている模様。「2008年にCuの価格が高騰したことからAl合金を検討する動きがあったが、Cuの価格が落ち着いたこともあり、当面はCuの巻き線を使う」(説明員)。
 同社は、トヨタ自動車向けとしては、2003年に発売した先代「プリウス」で採用実績がある。トヨタは先代プリウスを新型プリウス発売後も継続して販売しているため、住友電工のトヨタ向けの巻き線の供給は継続する。

以下,『日経Automotive Technology』2009年9月号に掲載