トヨタ自動車は、レクサスブランドのスポーツセダン「IS250」をベースにしたオープンカー「IS250C」を2009年5月に発売した(図)。トヨタとしては初の3分割式電動ハードトップを備えた2ドア4シーターで、20秒という開閉時間の短さを実現した。

 トヨタでは「レクサスSC」も格納式ハードトップを用いた4人乗り車。ただ、SCでは後席スペースが最小限で、荷室容量は狭かった。そこで、4ドアのISをベースにして4人乗車時の快適性や荷室の使い勝手を改善した。
 まず快適性向上のために、前後席間の距離をSCに比べて170mm広くした。ISセダンに比べては前後席間の距離は45mm短くなっているが、前席の背もたれを薄くしており、居住性への影響を抑えた。屋根の分割方法も2分割式のSCに対し、IS Cでは3分割式として屋根の1枚分を小型化した。荷室スペースは後ろのオーバーハングを50mm延長したこともあり、屋根を開けた時に9インチサイズのゴルフバッグを1個積める。

以下,『日経Automotive Technology』2009年9月号に掲載
図 トヨタ自動車の「レクサスIS C」
デザイン性と屋根収納時の荷室容量確保のため、セダンと比べてリアオーバーハングを50mm長くした。