マツダは報道関係者向けに「環境技術説明会」を開き、同社がCO2削減に向けてどのような取り組みをしているかを紹介した。目玉は、2011年以降の実用化を目指して開発中の、燃費を大幅に改善した次世代エンジンと自動変速機を初めて公開したことだ。

 マツダは2015年に向けて、グローバルでの平均燃費を2008年に比べて約30%向上させる、という目標を掲げる。これにより、日米欧で強化が進む燃費規制・CO2排出量規制に対応する計画だ。現在日本の自動車市場ではハイブリッド車が好調な売れ行きを示している。しかしマツダは「2015年の時点では、まだ市場で販売されるクルマの大部分はエンジン車」(同社)との認識から、まず基本コンポーネントの徹底改善で燃費向上を図る方針だ。

五つの制御因子を最適化

 具体的には、2011年以降に商品化する次世代ガソリンエンジンで約20%、次世代ディーゼルエンジンでも同様に約20%燃費を改善するほか、同時期に商品化する次世代自動変速機(AT)では燃費を4~7%改善する。これと並行して、2011年以降に投入するモデルではプラットフォームの刷新で車体を100kg以上軽量化する。この組み合わせにより、平均燃費の30%向上を達成する。長い歴史の中で改良されてきたエンジンや変速機だが「詳細に検討すれば、まだまだ改善の余地がある」(同社専務執行役員の羽山信宏氏)という。
 まずエンジンの燃費改善では、内燃機関で燃費を向上させるために制御できる因子を(1)膨張比(2)比熱比(3)燃焼期間&タイミング(4)空気量制御(5)荷重と摩擦係数――の五つだと考え、それぞれの制御因子を最適化することで燃費向上を図った。

以下,『日経Automotive Technology』2009年9月号に掲載