「未踏の領域」はあとわずかに

 NECと情報通信研究機構(NICT)は,テラヘルツ領域の電磁波に高い感度を持つハンディー・カメラを共同開発した。筐体の長辺の寸法が 18cmと,持ち運び可能である。特別な冷却なしに動作し,QVGA(320×240画素)の映像を60コマ/秒で高速連写できる。従来のテラヘルツ波向けカメラは光学システムが複雑なため,寸法がm級と大きく,数秒に1度の撮影がやっとだった。

 NECは「近い将来の製品化を予定している」といい,テラヘルツ波がいよいよ実用化に向かう可能性が高まった。「解像度をVGA(640×480画素)に高めることも容易」(NEC)という。実用化に必須となるテラヘルツ波の「光源」は,既にNICTが開発済みである。

『日経エレクトロニクス』2009年7月13日号より一部掲載

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