久井 信也
ソリューションサービス研究所
電子技術者の仕事は，どんどん難しくなっています。必要な技術水準が高度になる一方でプロジェクトの大規模化や開発期間の短縮が進み，プロジェクトの進め方や関係者間の調整が重要になっています。この連載では，苦手意識を持つ技術者の方にも理解しやすいように，プロジェクト・マネジメントとコミュニケーションとは何かを具体的に示し，現場でどのように活用すればよいのかを解説します。（本誌）
電子機器は社会のあらゆる分野に普及し，生活やビジネスに密接にかかわるようになりました。電子機器の機能は高度になり，ネットワークを前提にしたハードウエアとソフトウエアの統合開発が増えています。
このため，プロジェクトの規模はどんどん大きくなっており，関係者も増えています。関係者の目的や意思を統一し，調整しながら仕事を進める必要があります。ただし，この調整作業に手間取る技術者は少なくありません。
プロジェクト活動には，さまざまな悩みがつきまといます。仕事の進め方や人間関係に苦手意識を持っている技術者は多いと思いますが，自分の能力を十分に発揮するためにも，プロジェクトを成功させるためにも，手際よく対処していく必要があります。
この講座では，電子技術者が開発業務を円滑に進めるためのプロジェクト・マネジメント力と，それを支えるコミュニケーション力を解説します。プロジェクト・マネジメント力やコミュニケーション力を身に付けたいという電子技術者は多いのですが，学んだことがあり，現場で実践している人はまだ少ないでしょう。それぞれの関係を明確に理解し，“合わせ技”ができる技術者はもっと少ないと思います。ここでは，プロジェクト・マネジメント力とコミュニケーション力について，一人ひとりの技術者が現場で生かせるように丁寧に説明していきます。
