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「デジタルテレビ情報化研究会」仕様
山寨機(シャンジャイジ)――。この言葉が今,中国の電子産業を語る上では欠かせないキーワードになっています。日本では「ノンブランドの機器」という意味で使われるケースが多いようですが,本来は「行政の管理から逃れた機器」「ゲリラ機器」という意味です。例えば携帯電話機の山寨機は,その多くが無線機として必要な認証の取得や付加価値税の納付を怠っていると言われています。
大手メーカー品の外観デザインを模倣,分かりやすく言えばパクっている機種も少なくありません。市販価格は正規品のだいたい1/3と安く,市場規模は年間1億台を超えると見られています。携帯電話機のみならず,ノート・パソコンや白物家電などにも山寨機は存在します。
ただ,これらの製品を単なる模倣品と切り捨てるのは,やめたほうが良さそうです。注目すべきは,模倣品が決して粗悪な偽物ではないということです。正規品を丸ごとマネしているわけではなく,製品によっては訴えられにくい範囲で,きわめて積極的に模倣しつつ“改良”も加えています。そして中国の消費者は,模倣品が本物でないことを百も承知で購入しているという事実です。
これまで多くの先進国のメーカーはさまざまな機能を機器に盛り込んだりすることで,市場競争で優位に立ってきました。こうしたことが今,容易ではなくなりつつあります。先進国のメーカーが発売する多くの商品が,中国をはじめとする東アジアのメーカーに魅力を削り取られ,収益面でも苦戦しています。その一方で,一部の中国メーカーは先進国メーカーがとてもかなわないほど,きわめて短期間で商品開発する術を身に付け始めているのです。あまたある中国メーカーの中で,激しい競争を勝ち抜いてきた企業の潜在能力は侮れません。
中国メーカーはなぜ短期間で製品を開発できるのか,その原動力である模倣という行為をどうとらえるべきなのか,そして中国企業が模倣を乗り越えて発展する可能性はあるのか――。日経エレクトロニクスの最新号の特集「中国流イノベーション―モノマネ,侮るべからず―」で探ってみました。
このほか最新号では,ネットと無線で新機軸を生み出そうとしているデジタル・カメラに関する解説「デジカメ新時代」,プラグイン・ハイブリッド車をめぐる日米欧の最新動向などをまとめた解説「クルマの王座奪還へ,電動車両に託す米国」も掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。
日経エレクトロニクス編集長 田野倉 保雄