10年後の確率は5%,30年後は2%というものがあります。さて,これは一体,何の確率でしょうか?
いきなりで恐縮ですが,この問題の答えを考えてみてください(図)。すぐに分かった人はどれくらいいるでしょうか。勘の鋭い人なら,ああ,あれだなと答えが思い浮かんだかもしれません。そう,これは「会社が生き残る確率」なのです。
企業の寿命は30年
この数字を見ると,事業を継続することがいかに厳しいかが,ストレートに伝わることでしょう。昨日と同じ仕事を漫然と繰り返し,いつまでも似たような製品やサービスを顧客に提供し続けるだけでは明日はない,ということを雄弁に物語っていると言えます。職場を導く管理者としては,この厳しい現実を改めて認識すべきです。そして,職場や社内で危機感を共有するためにも,ぜひ一度,この問題をメンバーに出題してみてください。
しかし,動物や植物などの限りある命とは異なり,本来,会社には寿命などという定義はありません。確率はあくまでも確率。全体から見るとごく少数かもしれませんが,世の中には30年どころか,50年,100年と続き,依然として伸びている会社も存在するのです。
〔以下,日経ものづくり2009年6月号に掲載〕
HY人財育成研究所 所長