トヨタ自動車は2009年5月18日,新型「プリウス」を発売した。同年2月にホンダが発売した「インサイト」の189万円に対抗するかのように,発売前から205万円という価格が伝わり,「トヨタとホンダがハイブリッド車で激突」という構図で注目が高まっていた。公表された価格は最も高い車種では327万円だが,装備を抑えた低価格モデルは205万円。発表に臨んだトヨタ副社長の豊田章男氏は,既に8万台の予約を受けていることを明らかにした。

 豊田氏が強調したのは「38km/Lの超低燃費」と「価格は205万円から」という2点だ。10・15モード燃費は初代プリウスが31.0km/L,2代目が35.5km/L。それを38.0km/Lまで改善した(表)。今回のモデルチェンジによる燃費の低減幅は2.5km/Lと,前回の4.5km/Lに比べれば小さいが,これは「高速走行時の燃費を重視したため」と,開発責任者でトヨタ自動車第2乗用車センターチーフエンジニア大塚明彦氏は説明する。

〔以下,日経ものづくり2009年6月号に掲載〕

表●プリウスとインサイトの主な性能