天まで昇れ
- 205万円の新型「プリウス」が発売 ハイブリッド・システムは3割安く
- 新興国の中位所得層を顧客にせよ 2009年版「ものづくり白書」から
- サプライヤーの設計情報公開 ノウハウ秘匿との両立が課題
- 現場視点の国産工場シミュレータ 実ライン稼働前から「カイゼン」実施
会社の生き残りを懸けた変革「寿命は30年」の壁の突破法
機械安全における欧州の影響力
アナログセンサの信号処理
製品モデルの確立
計画に勝つ
- 品質改革,モジュラーデザインの実践を支援するツール ほか
佐伯弘文 シンフォニア テクノロジー 代表取締役会長
親会社の幹部が子会社のトップに天下るということが,日常の風景になっています。ところが,それが日本のものづくりの力を低下させる原因になっているのです。何しろ,子会社の仕事内容や現場のことを全く知らない人が,ある日突然トップとしてやって来るわけですから。その連中はたいてい,ゴルフして,高級店で飲み食い…
天空を漂う黄色い物体は,ヘリウムバルーン(写真上)。そこから地上に向かって「テザー」と呼ぶ,幅50×厚さ1.5mmのポリエステル製のベルトが垂れ下がる。風に揺れるテザーを懸命に昇っていく物体,その名を「クライマー」という。
トヨタ自動車は2009年5月18日,新型「プリウス」を発売した。同年2月にホンダが発売した「インサイト」の189万円に対抗するかのように,発売前から205万円という価格が伝わり,「トヨタとホンダがハイブリッド車で激突」という構図で注目が高まっていた。
2009年5月19日,日本政府は「2009年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術の振興施策)」を公表した。2009年版の大きな特徴は,「世界同時不況」の現状を過去の不況時と比べて分析した上で,これからの日本の製造業に指針を示したことにある。
レクサー・マトリクス(本社鳥取市)は,工場シミュレータ「GP4Manufacturing(以下GP4)」を開発した。工程と設備の情報を基に,人とワークの動きを検証するソフトウエア・ツールという点では,多くの海外製工場シミュレータと同じだ。
トヨタ自動車は2009年5月14日,2008年度の車両のリサイクル実効率が約97%に達したと発表した。既存の解体事業者などによる部品や金属材料の回収と,自動車メーカーが主体になって実施するシュレッダダストのサーマル・リサイクル(熱回収)や材料リサイクルを組み合わせて実現したものだ。
【調査テーマ】イノベーションの創造
単なる既存の技術の延長では生き残れないかもしれない…。目下の不況で,こう不安に思っている人は多いのではないだろうか。例えば,大手自動車メーカーの中には今回の不況が「100年に1度」の自動車産業の変革期と重なっていると見なす企業がある。こうした大きな変革期を迎えたときこそ技術革新,すなわちイノベーシ…
豚インフルでマスクを緊急増産,国内の自動化工場が活躍
白鳩は,ガーゼや不織布のマスクを年間約5000万枚生産する繊維雑貨品メーカーである。愛知県の知多半島で多く作られていたガーゼを利用して,1950年代後半からマスクの生産を始めた。
10年後の確率は5%,30年後は2%というものがあります。さて,これは一体,何の確率でしょうか?いきなりで恐縮ですが,この問題の答えを考えてみてください。
組織的取り組みの基礎として製品の姿を一般化して整理する
筆者は20年前にモジュラーデザイン(MD)の研究を開始し,試行錯誤の末,図に示すMDへの到達プロセスを築いた。当初は,モジュール化の基本的な理論である「2.モジュール数およびその使い方」を中心に活動した。しかし,組織にうまく展開,定着できず,その原因を考えて対策してきた結果,図の形になった。
市場調査で浮き彫りになった実態
国内規格で規定された安全基準の全項目に適合した製品は,一つもない─。市場で販売されている自転車を対象に関連団体が行った調査の結果だ。特に折り畳み自転車の安全性に関しては,消費者にとって心もとない状況にある。業界全体で安全を担保する仕組みづくりが不可欠だ。
工場で使っている機械に「CE」というマーク(CEマーキング)が付いているのをよく見掛けますが,このマークは何を意味しているのですか?
デジタル回路との混在に配慮,ノイズ対策のための五つの注意点
我々が今,開発を目指す茶運び人形は,人間とのコミュニケーションと茶室環境のセンシングによって自律的に動くものである。この自律動作を裏側で支えるのが,センサから定期的に情報を取得するためのタイマや,アナログ信号出力のセンサ(アナログセンサ)に対するノイズ低減,A-D(アナログ─デジタル)変換にかかわ…
唐突だが,今回は読者への質問から始めたい。「あなたが今携わっている仕事,その商品はいくらで造り,いくらで売りますか。そして,いつまで販売し続け,いくらの売り上げ,いくらの利益を会社にもたらしますか」。
プレス成形といえば,金型は絶対に必要なもの,そんなことはものづくりの常識中の常識。だと思っていたら大間違い。なんと,金型を使わないでプレス成形をしている会社があったのだ。
部品の形状や寸法などのバラつき範囲を規制する「公差」。適切な公差の設定は,品質とコストを高い次元でバランスさせるためには不可欠だ。ところが,多くの企業でこの公差の「質」がいつの間にか低下している。このままでは,世界で闘う競争力が失われてしまう。今の時代に合った質の高い公差設計を身に付けるべく,一部…
「ハイテック,めっきが無ければローテック」。こう表現するのは,関東学院大学工学部物質生命科学科教授の本間英夫氏だ。めっき技術は,電子部品のはんだ付けや機械部品の耐摩耗性向上など,あらゆる製品の性能向上に欠かせない。にもかかわらず,環境対策の名目で大手メーカーは自社工場からめっき工程を排除。“めっき…
アイデアをコンピュータ上で確かなものにしてから,製品に盛り込む。本誌が主催したセミナー「デジタルものづくり2009」では,製品の商品力向上にIT活用を直結させている事例が多く報告された。「ITは開発の効率化には役立つが,商品力向上とはちょっと別の話」という見方が過去には根強かったが,もはやそうした…
信頼の連携
偽札識別器での失敗からの起死回生を狙って,第二弾の自社製品に取り組みだしたアイ・シー・アイデザイン研究所(ICIデザイン研究所,本社大阪市守口市)の飯田吉秋。横に倒してもこぼれないが,人が飲もうとすると容易に飲める---。そんな機能を実現するフタの開発に挑戦してきた。しかし,最初に完成した試作品に…
1980年代の初め,米国カリフォルニア州のテレビ工場に私は勤務していた。第2次石油危機後の深刻な不況で,米国では自動車産業だけでも約30万人(業界全体の40%に相当)がレイオフされ,私の工場も過剰な在庫と人員を抱えて深刻な状況だった。