雑誌 特集

ちょこっと充電

急速×非接触の世界へ

狩集 浩志,蓬田 宏樹=日経エレクトロニクス
2009/04/30 16:00
 

 仕事の合間に,移動の合間に,ちょこっとした「すきま時間」を使って機器の電池を充電する─。このような機能を使えるインフラが,今後,街のあちこちに出現することになりそうだ。キーワードは「急速充電」と「非接触充電」である。

 まず動きだしているのが,2次電池を短時間で充電する「急速充電技術」。ここへきて大きな進化を遂げている。例えば電動工具では既に,短時間の充電機能が広く利用されている。今後はさらに,電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車といった電動車両でも,急速充電が利用されていくだろう。

 電池を非接触で充電する技術も,大電流を扱えるようになって用途が広がり始めた。まず,携帯電話機やデジタル・カメラなどの携帯機器から導入される。その後,カフェや駅,公共施設などに,「触れるだけで充電する」機能が充電インフラとして埋め込まれていく。こうなれば,充電のためにACアダプタを持ち歩く必要が無くなるなど,充電の煩わしさが大幅に軽減される。オフィス・ビルの電気配線や,路面電車など公共交通機関の電源供給も大きく変わるだろう。空間への電力伝送技術と組み合わせれば,「電気自動車を,走行させながら充電する」といった利用法すら,決して実現不可能ではない。

 急速充電と非接触充電が組み合わされ,インフラに溶け込んでいく。そのとき機器は,そしてユーザーは,どのように姿を変えるのだろうか─。

『日経エレクトロニクス』2009年5月4日号より一部掲載

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第1部<総論>
急速と非接触で
充電の概念が変わる

長寿命で急速充電可能な電池の登場により,充電インフラが変革の時を迎えている。いつでもどこでも簡単に充電できれば,さまざまな機器の利用スタイルが変わる。さらに,非接触充電と融合すれば,充電そのものを意識しない世界を実現できそうだ。

急速かつ非接触充電が機器を変える

 「充電」の概念が大きく変わろうとしている。きっかけとなるのは,長寿命で急速充電可能なLiイオン2次電池の登場と,非接触充電技術の進歩である。2次電池はこれまで可能な限り高容量を目指した開発が進められてきた。機器の1充電当たりの駆動時間を延ばすためである。引き換えに,充電時間は数時間と長く,電池の寿命はわずか2年程度と短かった。

 長寿命で急速充電が可能な電池の登場は,機器の設計に別の選択肢を与える。すなわち,必要最低限の容量の電池を,短いサイクルで充電を繰り返しながら使うという考え方の導入が可能になる。電池の寿命が長ければ,こうした使い方でも製品寿命まで電池交換の必要がなくなる。

『日経エレクトロニクス』2009年5月4日号より一部掲載

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第2部<電気自動車への展開>
将来は壁や床からも充電
電池の長寿命化で2次利用

盛り上がる非接触充電技術の開発。新たに磁界結合だけでなく,電界結合を用いた共鳴方式が登場してきた。電気自動車では,電池コストを低減すべく2次電池の再利用ビジネスが生まれ,電力インフラにも大きな影響を与えることになるだろう。

急速充電と非接触充電との組み合わせで市場が拡大

 急速充電と非接触充電の進歩は最終的に,産業機器や電気自動車を含む機器の設計を大きく変え,新たな市場を作っていくだろう。この分野では今後,急速充電が可能なLiイオン2次電池の採用が電気自動車などで進み,それが非接触充電の導入を促していく形になりそうだ。

 具体的には無人搬送機や産業ロボットなどの産業機器,次世代路面電車,バスや業務車両といった定期ルートを運行する電気自動車などが非接触充電導入の牽引役となる。充電作業の安全性向上や手間を省けるメリットが生きてくるからだ。

『日経エレクトロニクス』2009年5月4日号より一部掲載

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第3部<携帯機器への展開>
ケータイへの搭載目指し
デバイス開発競争が過熱

急速と非接触という充電技術の導入は,携帯電話機やデジタル・カメラ,ノート・パソコンといった携帯機器にも,もちろん及ぶ。ただし,電動車両の場合とは逆に,携帯機器ではまず,非接触充電がさまざまな機器に搭載されそうだ。

携帯機器向けの非接触充電と急速充電の課題

 急速充電と非接触充電の進歩は最終的に,産業機器や電気自動車を含む機器の設計を大きく変え,新たな市場を作っていくだろう。この分野では今後,急速充電が可能なLiイオン2次電池の採用が電気自動車などで進み,それが非接触充電の導入を促していく形になりそうだ。

 具体的には無人搬送機や産業ロボットなどの産業機器,次世代路面電車,バスや業務車両といった定期ルートを運行する電気自動車などが非接触充電導入の牽引役となる。充電作業の安全性向上や手間を省けるメリットが生きてくるからだ。

『日経エレクトロニクス』2009年5月4日号より一部掲載

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