最近,韓国から日本人技術者に対する求人が増えている」。こう証言するのは,人材派遣を手掛けるIBB JAPAN(本社東京都八王子市)である。同社は2009年3月20日,グループ会社のIBB KOREA,韓国で経済紙を発行する毎日経済新聞社と共同で,「第1回日本技術者招請・技術指導マッチング相談会」を韓国ソウル市で開催した。東芝や富士フイルムといったメーカーを定年退職した日本人技術者15人と,日本人技術者を技術顧問などとして招請したい韓国企業16社に加えて,参観目的の企業約40社が参加。「マッチングに臨んだ16社のうち,成約見込みは10社以上」(IBB JAPAN)と,日本人技術者と韓国企業のお見合いは高い確率で成立しそうだ。

 IBB JAPANとIBB KOREA双方の代表を務める孫性祖氏は,「韓国の企業には技術を,日本の退職技術者には仕事を提供したい」と,同相談会を催した狙いを話す。この背景には,強さと弱さが相半ばする,韓国固有の産業事情がある。液晶パネルを例に,その辺りのことを見てみよう。

〔以下,日経ものづくり2009年5月号に掲載〕