厚膜の屈折率を高めると半導体層の光を取り出しやすくなる

 金沢工業大学 光電磁場応用研究所 教授の三上明義氏の研究グループは,緑色発光するリン光材料を用いた有機EL素子を作製し,210lm/Wという非常に高い発光効率を得た。光取り出し効率を56.9%と,従来の2倍超に引き上げた結果とする。

 三上氏らは,この高い光取り出し効率の実現手法を,有機EL素子中の光の振る舞いを詳細に計算して見つけた。具体的には,有機EL素子の数百nm厚以下の薄い半導体層,および封止層など数百μm~1mm厚程度の「厚膜層」中の光の振る舞いを,波長や偏光ごとに分けて解析した。

『日経エレクトロニクス』2009年4月20日号より一部掲載

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