大学生や高等専門学校生が参加するロボットコンテスト,通称ロボコンは,学生がロボットを製作し,さまざまな難題を克服して競い合う競技会である。我が国が発祥の地であり,当初は国内大会だけだったが,今では国際大会も開催されている。

 参加者は設定された規格や規定に沿って製作したロボットを用いて,これまた設定された条件の中で競技を行い,高得点を狙う。ロボコンに登場するロボットは,今や学生/アマチュアのレベルを超えていて,アイデアもさることながら性能的にもビックリするほどの出来栄えである。

 しかし,そのロボコンから実業の世界へと羽ばたく者は,筆者の知る限り,出ていない。ロボコンは非営利のコンテストで,学生時代に学生という立場で楽しむもの,そんな感じがあるのかもしれない。

 そのロボコンに何回も参加してさまざまな賞を取り,日本代表として国際大会に出場したこともある,いわばロボコンのツワモノがいる。今回の主人公,三宅徹さんである。

〔以下,日経ものづくり2009年4月号に掲載〕
図●窓をふく作業者
まさに,技術と度胸の職人技だ。
多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役:1951年生まれ。1988年システム・インテグレーション設立,代表取締役に。現在,40数社の顧問,NPO日本知的財産戦略協議会理事長,宇宙航空研究開発機構知財アドバイザー,日本特許情報機構理事,金沢大学や九州工業大学の客員教授などを務める。