複雑度100,π=1,周囲温度25℃の時,λpの値は,バイポーラ・ディジタルIC,アナログIC,MOS IC共に23FIT程度になる。ただし,アレニウス型の温度依存性を示すπTの部分(図1の左側直線部分)は,バイポーラ・ディジタルで直線の傾斜に対応する活性化エネルギーが0.41eV,アナログとMOSでは0.7eVである。後者の方がずっと温度依存性が大きく,温度が少し変化すると故障率が大きく変化する。すなわち故障率の温度加速係数が大きい。
ごく一般的に言えば,デバイスの故障率は,年度ごとにかなり急速に減り,年率約2分の1程度と考えられる。別の言い方からすると複雑度,集積度が増大してもゲート当たりのλはそれに逆比例して改善されテバイス全体としては,あまり変わらないといってよいだろう。
表1は部品故障率データの例であるが,同種部品でもメーカーにより,使用条件などによって3桁程度のバラつきがあることに注意すべきである5),6)。