創刊1000号記念特集

誰でもメーカー

User Generated Deviceが拓く新時代
NEレポート
寄稿

「DC」の旗の下に集結せよ,夢物語ではなくなる

町田 勝彦氏
シャープ 代表取締役会長兼CEO
インタビュー

技術者は今でも主役,ストーリーが変わっただけ

Howard Stringer氏
ソニー 取締役 代表執行役 会長 兼 CEO
インタビュー

「ご褒美」の構造を変えたら,可能性が見えてきた

岩田 聡氏
任天堂 取締役社長
ドキュメンタリー
三洋電機「Xacti」の開発 第1回

2000億円事業の発端はパラパラ・マンガ

NEアカデミー
アナログ強化塾 第1回

30年ぶりに基本設計を一新した,リニア・レギュレータ

組み込み寺子屋2 第1回●ソフトウエアの開発モデル

要件定義~テストを円滑に,多様な開発モデルから正しく選ぶ

クローズ・アップ
  • 電子部品:積層セラミック・コンデンサ,0603品は2018年にようやく主流に
  • 半導体:NORフラッシュ大手が経営破綻,激しさ増す半導体淘汰の波
  • ディスプレイ:活気ある電子ペーパー,「防災」への応用を模索
キーワード

WirelessHD

編集長から

 今からちょうど38年前の1971年4月,我々は『日経エレクトロニクス』を創刊いたしました。今号をもちまして,おかげさまで通巻1000号を迎えることになりました。節目となる今号でリニューアルを実施し,より読みやすく,見やすく,分かりやすい誌面を目指してデザインやレイアウトを一新します。「クローズアップ」「NEアカデミー」など新しいコラムも開始いたしました。

 さて,1000号記念特集の内容です。エレクトロニクス業界は,これまで数多くのエンターテインメントを消費者に提供してきました。ラジオ,テレビ,オーディオ,携帯電話,ゲームなどなど・・・。その販売によって生まれた収益は研究開発の原資となり,新技術が次々と生まれました。大量生産した同じ仕様の機器をできるだけ多くのユーザーに届けることによって,エレクトロニクス業界は巨大な産業に成長したといえます。

 マス・マーケットに完成品を届ける――。この大量生産型ビジネスとは異なる潮流が今,デジタル家電などの世界に押し寄せようとしています。ユーザーが機器やサービスの開発に参加し,メーカーが提供するハードウエアの機能モジュールやソフトウエアなどを組み合わせて,自分仕様のデジタル機器を作り上げる動きです。本誌では,こうしたユーザー参加型の開発環境から生まれた機器を「UGD(user generated device)」と名付けました。

 UGDの発展を支えるのは,これまでのようなマス・マーケットではありません。開発したユーザーに共鳴できる人々が構成する無数のミニ・コミュニティが相手です。この変化が,従来の大量生産型ビジネスを揺さぶることになるのでは・・・。こういった視点から,今回の特集「誰でもメーカー~User Generated Deviceが拓く新時代~」をまとめました。1001号では本特集の後編をお届けする予定です。

 このほか最新号では,新市場として期待がかかる健康管理分野の動向をまとめた解説「エレクトロニクス企業が健康管理市場になだれ込む」,ソニー 取締役 代表執行役 会長兼CEOのHoward Stringer氏と任天堂 取締役社長の岩田聡氏への特別インタビューも掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。

日経エレクトロニクス編集長  田野倉 保雄