2006年6月に,東京都港区の区民向け集合住宅「シティハイツ竹芝」のエレベータ〔製造元はシンドラーエレベータ(本社東京)〕で発生した死亡事故の,警視庁による捜査がいよいよ大詰めを迎えつつあるようだ。そんな捜査の進展に呼応するかのように,2009年1月末から2月初旬にかけて,エレベータ事故の再発防止に向けた動きが活発化してきた(図)。(以下,「日経ものづくり」2009年3月号に掲載)
図●事故発生後の取り組み
事故機の現物を調査できないという制約の中,国土交通省は定期検査における基準の明確化や不具合情報の報告,新たな安全装置の設置の義務付けなどに向けた法改正を進めた。港区は事故機と同型のエレベータを使った実験によって事故原因を検討し,再発防止対策に生かしている。