ダイハツ「ミラクルオープンドア」の開発 すべては子育て女性のために

ダイハツ工業が2007年12月に発売した新型「タント」が好調だ。販売実績は主力車種の「ムーヴ」を一時は上回り、同社が軽乗用車販売で1位になる原動力となった。人気のポイントはセンターピラーのないスライドドア「ミラクルオープンドア」。上級車種では採用例があるものの、コスト・質量の制約が厳しい軽乗用車では初の採用になる。あえて困難な道を選んだ開発陣が目指したものは。

 ダイハツ工業の軽乗用車「タント」は、2003年11月に「しあわせ家族空間」を開発コンセプトに誕生した。その最大の特徴は1725mmという全高で、当時の「ムーヴ」の1630mmと比べても95mm高く、自分の背丈を上回ると感じる人もいただろう。商用車ならいざ知らず、乗用車でこれだけの全高を持つ軽乗用車というコンセプトは、当時としては画期的なものだった。

ダイハツ工業の新型「タント」
ダイハツ工業の新型「タント」